【1年間大切に継続してきた『いのちの大切さを考える講演会「第3回目」!』のまとめとして】 第3回目の講演会講師先生は、中谷 奈央子 先生。「性教育は健康教育、安全教育、そして川越中学校が大切にしている人権教育です!という視点でお話をいただきました。『自分の心とからだを守れる、大切にできるのは自分』ということに気づき周囲の人や仲間のこと、そして一番は自分のことを考えるきっかけをつくっていただきました!中谷さんとの出会いが、みんなにとって『これからの生き方を考えていくチャンスや気づき』をいただくことができた素敵な出会いとなったと思います。
3学期の修了式まで「あと1週間」となった今日3月18日(火)。川越中学校が大切に取り組んでいる『いのちの大切さを考える講演会』を実施しました。講師としてお願いしたのは、思春期保健相談士・元養護教諭の『中谷 奈央子先生』です。「にじいろ先生」の愛称で、全国各地で性教育にかかわる講演会活動をされながら、講師や指導者として小中学校はじめ、高校での講演会活動だけではなく、性教育に関わる授業実践をしていただいたり、私たち教員へのアドバイザーとしても教育現場でご活躍をされています。また、「性教育の教材(コロカラ)」を作成された指導者の一人です。そして、子どもたちだけではなく、地域や保護者への啓発活動も実践されている先生です。大変お忙しい中、昨日、川越中学校の子どもたちと私たち教職員に向けた「大切ないのちにかかわる性教育講演会」をしていただきました!
川越中学校では、今から8年ほど前から『いのちの大切さを考える講演会』を実施してきました。コロナ禍を挟んで、この3年間継続して取り組んできました。川越中学校の教育ビジョンに示す、一人一人の子どもたちを大切にした5つの重点となる取り組みのひとつに『心とからだの健康』があります。そして『心とからだの健康』を具現化するための具体的活動の5つが以下に示すものです。
■部活動や校外活動を通じた、「からだづくり」と「心づくり」。
■地域とともにある「食育教育推進」。
■「いのちの大切さを考える講演会」。
■心とからだに関わる教育相談。
■読書活動の推進。
このような教育ビジョンの具現化に向けて示す重点の取組みとしての「いのちの大切さを考える講演会」です。1学期は、四日市北警察署生活安全課少年係の担当者からの「SNSネットトラブル防止教室(性被害・性犯罪予防防止)」、2学期は、いなべ市LGBT専門相談員である浦狩知子さんを講師としての講演会「自分のことは、自分で認める(自認:じにん)」、そして、3学期は、「ヘルプマークを知っていますか?─命と時間のお話─」と題して、元三重県ヘルプマークアンバサダーの田中麻莉絵さんに講演会を行っていただきました。そして、3年生の先輩たちは卒業してしまいましたが、2年生・1年生の生徒にむけての1年間のまとめとしての講演会として、中谷奈央子先生に講演会をしていただきました。
本日は、川越中学校内からオンラインにて、画面越しに各教室をむすんでの講演会です。講演会の最後は、2年生生徒会長が全校生徒を代表して、画面越しではありますが、お礼の挨拶と感想をつたえてくれました。講演会が終了した後は、中谷先生に2年生のすべての教室に入っていただき、子どもたちの「振り返りの様子」を見ていただくとともに、2年生の5つの教室で子どもたちと交流する時間もつくっていただきました。質問コーナーとして『人との関わりかたについて』や『人間関係をうまくいくためにはどうしたらよいか』などという質問から、『中学校時代の部活動は何をしていましたか』まで、子どもたちからの質問に対しても丁寧に一生懸命に応えていただきました。性教育を学ぶことは、いのちの大切さを学ぶこと」を講演会を通じて学ぶことができました。中谷先生からは、子どもたちの教室における笑顔や雰囲気から、『とってもあたたかい雰囲気がしっかりと伝わって来ます!』とのお言葉をいただきました!
校長として2年前に『中学生の性被害防止・対応のための教職員研修会』に参加して、「性暴力のない学校・社会をつくるために ~今必要な予防教育とは~」というテーマでの中谷先生の貴重な講話を聴き、ぜひ川越中学校の子どもたちはもちろん、すべての教職員にも絶対に聴いてほしい内容だと思い、2年が経過した今日、やっと川越中学校で講演会を実施していただくことができました。川越中学校のすべての子どもたちに対して、『絶対に性被害・性犯罪の被害者にも加害者にもならないために』という思いを持って実施した講演会は、子どもたちの「振り返り」からも、自分事として考えてくれた子どもたちでいっぱいだったことが嬉しい限りでした。今日は、中谷先生との出会いが子どもたちや私たち教職員にとってもステキな出会いとなったことに感謝です。本当に貴重な時間をありがとうございました!
【子どもたちの振り返りから一部抜粋して】
■日本の性教育は世界と比べて遅れていることに驚きました。自分の「からだ」、「こころ」がどんなに嫌いでも、自分のものだし、自分は自分、他の人は他の人であり、友だち、家族、恋人などどんな人でも安心・安全を守るバリア(境界線)があるとわかりました。自分の思っている「いや」と相手の思っている「いや」は全く違うこともわかりました。相手の気持ちを確かめるために、声に出して確認したり、「やめて」や返事がなかったとしたら、きっぱりやめるということをこれからの生活で考えていきたいです。また、「やめて」は「きらい」ということではないということもわかりました。そして、相手が「やめて」「いやだ」といえる環境、周りの空気も大切にしていきたいです。まだ私には関係ないではなく、他人事ではなく自分事として「性」について考えてみようと思いました。
■性について知っていくことで自分を守ったり、相手を守ったりしていくことにもつながるから、これからもSNSにある情報をすべて信じ込むのではなく、正しい情報を見分ける必要があると思いました。
■自分が被害者、加害者にならないためにも、正しい知識を身に付けたり、気持ちを伝える練習をしたりすることが大切だと思いました。体の成長や心の変化には個人差があるので、不安に思ったり変に思ったりするかもしれないけど、絶対に悪いことではないから重く受け止める必要はないとわかった。中谷さんに直接聞くことはできなかったけど、日本は性教育が他国に比べて遅れていて、性被害者、性加害者になる年代のグラフの変化が大きかったけど、他国はどのようなグラフの変化があるのか気になった。
■性と言われると、ドラマや映画の中の話になりがちだけど、実際に傷ついた人たちがたくさんいることを知り、いつか自分の身近に来る日があるかもと思い、少し怖いです。けど、中谷先生の言う3Sを大切にすること、「いやだ!」と素直に伝えられる関係や環境をつくることをまず頑張りたいです。また「同意」という点で、表情だけで読み取ってみたり、自分の意思を相手に押し付けたりしてしまったりするのではなく、思いをきちんと自分の言葉で伝えることを大切にしたいです(何事に対しても)。
■自分もインスタのアカウントのフォローで、フォローが他人から来た時に性犯罪のようなことに関わりそうな感じがとてもしてきたのでブロックをして削除しました。こんな風に自分の欲だけで行動するのではなく、自分のこれからの「将来」も見据えて行動がしたいです。また、中谷先生から教えてもらった「3S(①知る②尊重する③相談する」をしっかりと頭の中で意識して自分の人生をHAPPYにしたいです!
■SNSをきっかけに性犯罪被害を受けた小学生が139人、中学生が748人という人数がだいぶ多くなっていてびっくりしました。法律も性に関することが厳しくなっていて、それが安心だなと感じました。
■わたしの将来の夢は「看護師」「産科医」などの人の命に関わる仕事を目指していて、このような「いのちの大切さを考える講演会」などでより深く知ることで、もっとその夢を叶えようと努力をしていきたいと思いました。もし、自分が夢を実現できたら、「3S]や「命の大切さ」「妊娠・出産」などの大切なことなどを今、悩んでいる人たちや、今後悩む人のチカラに少しでも協力することができる素敵な大人になりたいと今日の講演会を通して感じることができました。
2025年03月19日更新|学校の様子