多様な性のあり方~山口 颯一さんから深く学ぶ~【命の大切さを考える講演会② この講演会は出会い学習であり、その人との大切な出会いを通じて、その人の生き方に触れ、自分事として考え、学び、知ってほしい】貴重な時間となりました。これは川越中学校が大切にしている人権学習そのものです。
2学期の三者懇談会最終日の昨日、12月13日(水)の1・2限目は「いのちの大切さを考える講演会②」として、昨年度に続き、一般社団法人 ELLY 代表の山口 颯一さんを講師としてお招きし、「多様な性のあり方 ~山口 颯一さんに深く学ぶ~」という演題のもと、『自分らしさ』、『人を理解する』ということをご自身の経験を通じて講演をしていただきました。川越中学校が大切にしている「いのちの大切さを考える講演会」は『出会い学習』であり、いろいろな人の考え方生き方に触れる『生き方学習』であり、『人権学習』でもあります。
講師の先生の『生き方に触れてみる』。そして周囲の人や仲間のこと、自分のことをしっかりと考えるきかっけにする。出会いを通じた講演会から「いのちの大切さ」や「自分らしく生きること」を考え、気づき、そして自分事として受け止め、学んでほしい。そんなねらいのもと講演を実施しました。しかし、大切な出会いと学びの場である講演会を、コロナ感染症拡大により、3年生だけ体育館で、1年生と2年生が教室にてオンラインでの開催した昨年度。しかし、山口さんと同じ空間に居ることができなかった現3年生・2年生の子どもたちの顔の表情、子どもたちの空気感を熱量を直接感じとることができなかったことが本当に心残りでした。だからこそ、昨年度に引き続き山口さんの講演会の継続を希望しました。
山口さんの「周りの子と話しながらでもいいから」「楽にして話を聴いてほしい」という声掛けと、アニメのキャラクターを活用したわかりやすい説明など、子どもたちの表情はどんどん緊張からあたたかい表情に変わっていきます。LGBTQ性の多様性について学びながらも、山口さんの経験からくるご自身を語る言葉一つ一つには重みがあり、その山口さんの生き方に触れながら、自分事として考えることができる貴重な1時間となりました。
子どもたちの素直な振り返り、自分事ととして多くの子どもたちが受け止めていた振り返りの内容。その子どもたちの言葉を「学級通信」、「学年通信」としてつないでいただいた担任や学年の先生方。先生方の生の声からも、今回の講演会が、子どもたちの「確かに生きる学びの場」となったこと。山口颯一さんとの出会いが「子どもたちの心の中にしっかりと残ったこと」。そして、「自分と重ねて考えることができたこと」がよくわかりました。貴重なそしてこれからの川越中学校につながる時間をつくっていただいた山口颯一さんに感謝とお礼を申し上げます。そして、講演会をしっかりと聴き、しっかりと振り返りをしてくれた全校生徒のみなさんにも感謝します。ありがとうございました。
【 子どもたちの感想のほんの一部を抜粋して 】
■見た目では判断できない。それは、分かっていてもやっぱり見た目だけで判断してしまうことが多くありました。でもよく考えてみると、性別ってそんなに重要じゃないなって思いました。その人はその人だから。今の社会で大切なことは、自分が少しみんあと違うと感じる人がいたときに、その人がその違いを感じていることを、みんなんい安心して伝えることができることが大切です。みんなが好みも、性別も、考えることもみんな違って当たり前だし、だから面白いし楽しいんだと思います。自分の普通を押し付けづに、みんなが好きなことをして暮らせる、自分の想いを素直に話せる、そんな社会がよいと思います。
■LGBTは多様で、11人に1人がそうだと山口さんはお話をしてくれました。でも周りにいると感じにくいです。私たちがしらない中でも思い悩んでいる人がいると思います。さがすことではなく、そういった思いを持っている人たちが安心して相談できる環境づくりしていくべきだと感じました。見た目で判断したり、男の子、女の子の性別を決めつけたりすると傷つく人もいます。自分は自分。みんな違って当たり前なので、自分らしさ、その人らしさを大切にして日々の生活を過ごしていきたい。
■山口颯一さんの講演会はたった約60分のなかで多くのことが吸収できました。本当に中身の濃い講演会でした。他人事のようにとらえるのではなく、自分事のようにとらえバカにするのではなく、相談されるような人になりたい。そして手を差しのべたい。自分は2種類の性別しかないと思っていたけど、実は性別は58種類であるということがわかりました。自分は性別には2種類しかないという固定観念がありました。
■その人らしさ、自分らしさを互いに大切にしあって過ごせるようになることが、良い学年といわれるものでは、できることかなと講演を聴いて思いました。
■今日は講演会がありました。今日の学年通信に書いてあったように「相互理解」というのは講演会にも出てきたLGBTQを理解して当たり前にすることにつながっていると思います。性別に関することは、時には人を傷つけてしまうにので発言には気をつけて、LGBTQが当たり前になるようにしていきたいです。
■自分のことを基準にするのではなく、たくさんの考え方があるというのをしっかり思って、全員が過ごしやすい環境を創っていくのが良いと思います。
■昨年の講演会の忘れかけていたことを思い出すことができ、とても良い時間を過ごすことができました。私はこの15年間、自分の好きなこと、好きなものは隠さずに過ごしてきました。しかし、それは小学校からの仲の人が大半で、自分のことがいいやすい環境だったのもあると思います。これから、高校、大学、社会と自分の地域からどんどん離れていき、今のように自分をさらけ出すことは難しく、相手にあわせなければならないのかと思うと不安でした。山口さんの講演を聴くことができ、自分の好きなもの、ことは我慢せず、「自分らしさ」を追求し、周囲の人も一緒に過ごしやすい環境にすることの大切さを知ることができました。これからは、自分も周りの人も気持ちよく過ごすことができるように、自己開示や、いつでも相談に乗れるというようなふれ合いを増やしていきたいと思いました。
■世の中がまだ、居心地が良い、住みやすい社会には完全になっていないということです。だから少しでも多くの人がLGBTを理解し、受け入れることで、どの性別の人でも快くいられる社会が近づくと思います。そして、誰もが自分のなりたい性でいられる雰囲気を世の中が創っていくことで、誰もが自分の性をオープンにして、悩まずにいられるのではないかと思いました。
2023年12月14日更新|学校の様子