【いのちの大切さを考える講演会。「安田厚子さん」との出会いからの学び】命の尊さと無事故の大切さ。命の重みとハンドルを握る重みは同じ。自分の命を大切に、他者の命も大切に。
本日6月8日(木)6限目、全校生徒対象にした「いのちの大切さを考える講演会」を実施しました。この取り組みは三重県警本部、みえ犯罪被害者総合支援センター共催にて実施をしました。事務局次長の森田 慎也さんからのお話をいただいた後、講演会に入りました。川越中学校が「学校づくりビジョン」においても大切にしている取り組み『いのちの大切さを学ぶ(考える)講演会』です。講演を聴くことはもちろんのこと、講演をしてくださる講師の方々との出会いの中で、子どもたちが「いのちの大切さ」を考え、気づき、そして自分事として受け止め、学んでほしいという思いのもと、講演会を実施しました。今年度はじめての講演会は、「三重県交通遺児を励ます会 会長」の安田厚子さんとの出会いです。安田さんの講演から子どもたち、私たち教職員も多くの学びがありました。
安田さんは、ご自身の旦那さんを東名阪国道での玉突き事故によって交通事故の犠牲となり、大切な命を一瞬で奪われました。事故後の壮絶で、悲しくつらい体験を子どもたちに向けて、丁寧に言葉を選びながら、優しく語り掛けるように切々と講演をしていただきました。「テレビを観ていた交通事故で1名死亡」のニュースが自分の旦那さんであった事実。「新聞やテレビでは他人事として今まで考えていた交通事故。その事故によって引き裂かれた悲しみは強烈でした・・・。夫がいなくなった現実を認めることができなかった。悲しみは薄れるどころか日に日に心が打ちのめされるように深まった。」。その現実を大切な子どもとともに受け止めて歩んできた生活。交通事故の被害者には、加害者と向き合う葛藤があること。裁判を終わりまで見届けてきた事実。子どもはその悲しみを胸の奥深くにしまい耐え忍び育った。しかし、そんな時でも多くの人との出会いがあったからこそ、ここまで生きてこられた。多くの人に支えられてきた。多くの支えてくれる人たちのおかげで生きていくことができたとお話しいただく安田さんに、川越中学校の子どもたちだけではなく、私たち教職員も他人事としてではなく、本当に自分事として考える、心に響くお話となりました。『命の重みと、ハンドルを握る重みは同じ』。『命の尊さと無事故の大切さ』『交通事故被害者遺族の子どもたちは、小さなからだで、その痛みを一身に受け止めます』。安田さんは被害者講演会等で多くの方々に伝えることで、交通事故の数を減らしていくこと。自分の大切ないのちについて考えることは、自分を支えてくれる大切な人たちのいのちについても考えることにつながる。そのようなことを正面から子どもたちに向き合い、わかりやすく丁寧に心を込めてメッシージを送っていただきました。
体育館の子どもたちの様子は、一生懸命に安田さんのお話を大切に聴いていました。
話を聴いている子どもたちの中には、安田さんのお話から、うつむいて涙をぬぐっている子どもたちもいました。講演会のあとは、各クラスにて素直な想いを感想としてまとめてくれました。安田厚子さん、森田慎也さんありがとうございました。そして、この講演会の実施にあたり、丁寧にご協力をいただきました三重県警察本部警務部警務課のみなさん本当にありがとうございました。
2年生の生徒からの感想を抜粋して。
「まず、自分の大切な人が亡くなってしまったことや、その後のことを事細かに私たちに語ってくださったことに感謝しています。私もよく高速道路での交通事故のニュースをよく目にしますが、きっと、いつも他人事と考えてしまっていたと思います。でも、それが自分の家族や親戚だったら・・・と思うと。安田さんの息子さんが感じたように、少しでも交通事故での被害者が減ってほしいし、「死者が1人だったときに、亡くなった人が1人で良かった」ではなく、「一人の尊い命が失われてしまった」。と捉えていく人が増えていってほしいと思いました。(中略)安田さんの息子さんの想いには感動しました。今回の講演会は「命の大切さ」を改めて考えることができる、本当に良い会だったと思います。「明日が来るのが当たり前ではない」。という安田さんの言葉を心に刻んで、毎日を大切に生きていきたいです。そして被害者にならないのはもちろん、加害者にもならないようにしたいです」。
「交通事故被害者遺族は、こんなに苦しい思いをしていることを知り、改めて交通事故を起こさないようにしたいと思いました。スマホを見ながら運転をするような危険な行為はしないようにしたい。自動車は今は乗れないけど、いつか乗ったときは注意しながら運転をしたいと思いました。自転車でも交通事故はたくさんあるから、自転車に乗るときは注意して運転したい」。
2023年06月8日更新|学校の様子